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のだめカンタービレ

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20世紀の作品ではありませんが、今回はDVD-BOXが発売されたばかりの人気のドラマ、「のだめカンタービレ」を取り上げてみます。本作品は、同名の原作コミックの中から、前半部分(日本国内を舞台にしている部分)をドラマ化したものです。
日本にクラシック音楽ブームを巻き起こしたほどの有名な作品ですので、詳しいストーリー紹介は行いませんが、一言でいえば、ピアノ・バイオリンの腕前は超一流(但し、子供の頃に見たヴィエラの指揮に感銘を受けたことから、本人は指揮者を目指している)のエリート音大生、千秋真一と、自由奔放でかなりの変人ではあるものの、天才的なピアノの才能を持つ野田恵(通称:のだめ)を中心に、様々な個性的なバイプレイヤーたちがぶつかり合いながら成長(人間的にも、音楽の技術面でも)を遂げていくという人間ドラマです。

実はこの作品、私は最近までタイトルを知っていた程度で、内容はまったく知りませんでした。(今でも、原作コミックやアニメ版は殆ど見ていません)ただ、もともと子供の頃からクラシック音楽が好きだった私ですし、過去にクラシック音楽をテーマに、音楽家を主人公にした「赤い激流」や「少女に何が起こったのか」などもお気に入りの作品となっていたことから、おそらく後悔することはないだろうと思い、いきなりDVD-BOXを購入してみました。
...結果は大正解。全11話一気に見てしまい、すっかり本作品のファンになりました。その後原作も少しだけ読みましたが、むしろ違和感を覚えるほど。それほどまでにドラマ版のキャストたちが、この作品の世界観をうまく表現していたことに改めて驚かされました。

このドラマがここまで成功した理由は、ストーリーを原作に忠実に再現したことはもちろんですが、何より出演者やスタッフの努力による妥協の無い演奏シーンと、すべてのBGMにクラシック音楽を使うなど、徹底したクラシック音楽へのこだわりの演出が挙げられるのではないかと思います。
まだ現在の技術では、適当に弾いたカットを使ってCGで達人の演奏のように修正することは難しいため、いかに本当に(しかも上手く)楽器を弾いているように見せるかについては、俳優の努力・演技にかかってくることになります。特に千秋役の玉木宏は主役級で出番が多い上に、指揮とピアノ・バイオリンの3つをこなす必要があり、演じるのは本当に大変だったであろうと思われます。実際、最後のクリスマスコンサートの指揮シーンなどは、眼が充血して表情に疲れが見える(指揮自体は熱演でしたが)など、影の努力が顔に出ていました(感動して泣き顔になって眼が赤かったという説もあり、どちらが真相かは知りませんが)
少なくとも、私のように自分では殆ど演奏できないクラシックファン程度が見ている限り、アラが目立つこともなく安心して見ていられました。
また、のだめ役の上野樹里の演奏シーンも、いかにも天才肌な雰囲気が出せていたのではないでしょうか。
とにかく本作品については、何よりこの出演者たちの演技力と努力に拍手したいものです。

本作品は連続ドラマですので、どれがベストエピソードというのは言いにくいのですが、好きなシーンということであれば、第4話のSオケによるベートーベン第7番と、第5話のラフマニノフ・ピアノ協奏曲2番を挙げておきたいと思います。どちらも画面に近づいてヘッドホンで音を聞きながら見ていたのですが、ゾクっとするような感覚を覚えました。本当の演奏会ではこんな気分になったことはないのですが、内心「うまく弾けるんだろうか?」という思いで見ていたことも影響しているのではないかと思います。
ちなみに、のだめの演奏シーンとしては、コンクールの演奏より、第1話のモーツァルト・ピアノソナタや、第6話のラフマニノフの千秋との競演の方が「らしさ」が出ている気がしました。
(まったくの余談ですが、これを見たとき、アルゼンチンの天才女流ピアニスト、マルタ・アルゲリッチの若い頃の演奏が脳裏に浮かびました。アルゲリッチのラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番は、初めて聴いたとき、千秋じゃありませんが、「速い。このテンポでこの曲が弾けるのか...」と思ったものです。ちなみに本作品で使われた2番のピアノ協奏曲よりさらに難曲です)

最後に、映像商品として2007/5/25に発売されたDVD-BOXですが、特典ディスクとして出演者のインタビューやメイキングシーンが収録されたものが添付されており、本編とともに楽しめば、この作品がより身近に感じられると思います。なお、DVD自体がその仕様上720×480ドットの解像度しかない上に、収録されているDVDディスクが片面一層で、ビットレートも低めと思われるため、本放送時にハイビジョンで録画している人は「画質が悪い」と感じるかもしれません。とはいえ特典ディスクは魅力ですので購入するかどうか悩ましいところでしょうね。
また、関連CDが色々と出ているようですが、個人的には「のだめカンタービレ ベスト100」がお勧めです。ドラマで登場したシーンに使われた部分の抜粋ではなく、全楽章収録されているので、聞き覚えのない部分も多いかもしれませんが、のだめからクラシック音楽の世界に入門するには良い商品だと思います。

(最新情報)
2008年の新春ドラマとして、TVスペシャル形式で待望の海外編が放送されることになりました! 
パリを中心とした海外ロケを秋に実施するということで、(予算削減から)セットで再現するようなショボイ映像になるのでは...という一抹の不安は吹っ飛びました。今後の楽しみが増えましたね~。

○映像ソフト関連リンク
 ・のだめカンタービレ DVD-BOX (6枚組)

○音楽ソフト関連リンク
 ・のだめカンタービレ ベスト100 (通常盤CD)

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コメント

instant_writerさん、再度またやって来ちゃいました^^
私のブログにコメントありがとうございました♪

実は、さきほど、こちらの赤い激流の記事を拝見させて頂いた直後、既に「のだめ」と「東京ラブストーリー」の記事を読ませてもらっちゃってたんです(^_^;)

instant_writerさんは、凄くクラッシック音楽にお詳しいですねー!!尊敬してしまいます。
のだめは、去年見たドラマで一番面白かったし、今も、あれを越えるドラマが無いなぁ・・って思うほどの、私にとっては、ここ5年ほどで一番好きなドラマです。
2が出来ないかなぁ・・って待っているんですけれどもね・・。

こちら、せっかくなので、TBさせて頂きました♪
ちなみに、先程、赤い激流の方も、コメントと同時にTBも送ったのですが、何故か、ダメだったみたいです・・。(たまに、原因不明ですが、そういうことがあります)

また、今後も遊びに来ますね~。よろしくお願いします♪

投稿: latifa | 2007年7月 4日 (水) 16時27分

latifaさん、ようこそ。
コメントありがとうございます!
のだめカンタービレ、最高ですよね。
ちなみに、私はクラシック音楽詳しくなんかないですよ~。(^^;)
続編は海外編ということになるので、TVスペシャルじゃないと難しそうですね。ロケの費用、現地の役者の手配など面倒なことばかり多そう。(かと言って、スタジオセットと偽の外国人ばかりじゃロクな結果にならないでしょうし)
何はともあれ、良いニュースを待ちましょう。では今後もよろしくお願いしますね!

投稿: instant_writer | 2007年7月 5日 (木) 15時19分

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受信: 2007年7月 4日 (水) 16時20分

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